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【環球異見・米の不法入国の親子引き離し】代償は大きく、完全な失敗 USA TODAY(米国)

米テキサス州マッカレンの入国管理センターで、列を成す中米からの親子連れの入国者ら=6月24日(AP)
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 トランプ米政権は今春、中米諸国から米国を目指した移民集団の動きを受け、不法入国者を厳格に法律で裁く不寛容政策を開始。子供は訴追できないため、親と引き離して別の施設に収容しているが、幼児も多くその数は2000人を超した。国内外から批判が殺到する中、大統領令でトランプ氏は親子分離を撤回したが、具体策は示されず、再会も一部にとどまり、事態を収拾できるかは不透明なままだ。

 ■USA TODAY(米国) 代償は大きく、完全な失敗

 成人の不法入国者全員の刑事責任を厳格に問うトランプ政権の「ゼロトレランス(不寛容)」政策について、米紙USA TODAY(電子版)は6月20日、「およそ完全な失敗だ」と批判した。刑事司法の分野にゼロトレランス政策を用いると、「限られた刑務所が、公共の安全への重大な脅威とならない人々であふれる」と指摘。世界は複雑で微妙な場所であるという単純な理由から、同政策はめったにうまく機能しないとし、「逆効果になる可能性が高い」と警告した。

 2千人以上の子供が親から引き離される事態を招いたことには、「何世紀にわたって、米国の法律や文化、宗教の中核であり続けてきた家族中心という考え方の直接的な否定」と論評し、世界で米国の評判を落とす結果にもつながり「代償は大きく、利益はわずか」と言及した。

 保守系の米紙ウォールストリート・ジャーナルは19日付の社説で「メルトダウンする共和党」と題して、移民問題をめぐって共和党内の規制強化派が妥協しない限り、11月の中間選挙で過半数の議席を失うリスクがあると指摘した。同紙は「不法入国を抑止する政策だと擁護する政権の当局者でさえ、親子の分離は道義的に容認できず、政治的に持続不可能であると理解している」とし、「家族を分離しなくても実施できるようになるまでは、ゼロトレランス政策を停止することが喫緊の解決策だ」と提言した。

 幼少期に親などに連れられて米国に不法入国した「ドリーマー」と呼ばれる移民の問題をめぐっても、共和党の機能不全が浮き彫りとなったと指摘。中間選挙で共和党が下院での主導権を維持できるかどうかは、ドリーマー合法化への支持が高く、親子分離政策への支持が低い、共和・民主両党の票が拮抗(きっこう)している「スイング選挙区」での勝敗にかかるとし、移民問題の一部でも解決できると示すことが「共和にとっての賢明な策」と締めくくった。(ニューヨーク 上塚真由)

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