PR

ニュース 国際

【検証6・12(下)】金正恩氏は鄧小平になれるか 経済再建危うい綱渡り

Messenger

 北朝鮮国内に向け、今後はシンガポール並みの経済発展を目指すと宣言したとも受け止められる。

 「正恩は成功した中国の鄧小平になるか、失敗した旧ソ連のゴルバチョフになるかの瀬戸際にある」

 韓国情報機関傘下の国家安保戦略研究院副院長の李基東(イ・ギドン)はこう分析する。両者の違いについて李は(1)政治的安定(2)経済的成果(3)融和的国際環境-を挙げる。3つの条件に恵まれ、改革開放を導いた鄧に対してゴルバチョフは当初、米国との軍拡競争に直面した上、派閥争いを抱え、経済的成果も見込めず、社会主義体制を崩壊させた。

 ■いびつな南巡講話

 「正恩は党や軍幹部の粛清や更迭を繰り返し、政治体制の安定を手にした。経済政策でも4月の党中央委員会総会で核開発との「並進路線」から経済建設に集中する方針を打ち出し、経済政策に関しては「内閣の指揮に無条件で服従せよ」と指示。経済再建に向けた土壌を整えた。シンガポールでの発言は、鄧が1992年に深●(=土へんに川)など南方都市を巡り、経済発展の指針を説いた「南巡講話」の“金正恩版”に今後、位置付けられる可能性がある。

 ただ、肝心の制裁はいまだ解けない上、国内にも大きな障壁を抱える。米韓との敵対関係ゆえに軍事費が国内総生産(GDP)の推定約24%を占めてきた。約120万人の兵力を維持するため、若い労働力を兵役に投じている。北朝鮮の民主化に取り組む韓国の団体代表で北朝鮮の内情に通じる金永煥(キム・ヨンファン)は「戦争中の国家並みの軍事費比率であり、これでは経済開発を望みようもない」と指摘する。

 内なる軍事的圧迫の打開のためにも、米国との直談判は避けられなかったとみられる。トランプは会談で、米韓合同軍事演習の中止を表明。米メディアのインタビューで、将来的に在韓米軍を撤退させる可能性も示唆した。正恩は思いがけない譲歩を得た形だ。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ