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【激動・朝鮮半島】米朝共同声明はスカスカ、あえて詳細決めない戦略か 上智大・前嶋和弘教授

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【激動・朝鮮半島】
米朝共同声明はスカスカ、あえて詳細決めない戦略か 上智大・前嶋和弘教授

上智大学総合グローバル学部・前嶋和弘教授 上智大学総合グローバル学部・前嶋和弘教授

 非核化、体制保証、拉致問題の観点から今回の米朝首脳による共同声明をみると、中身がすかすかだ。会談後のトランプ米大統領の記者会見を聞いても曖昧な点が多い。1992年の非核化をめぐる南北共同宣言や2005年の6カ国協議の共同声明と比べても明らかに内容が弱い。

 ただ、最近まで戦争が始まってもおかしくないほどの緊張状態にあった米朝関係を考えると、両首脳が会談したこと自体が信頼醸成の場として意味があった。詳細を決めると物事が進まないので、大枠だけを作り詳細はあえて決めない戦略がトランプ流だったのではないか。しかし、会談が一度きりで終わってしまっては評価は低くなる。「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)のうち共同声明で抜け落ちた、「検証可能で(V)不可逆的な(I)」非核化を実現するには、複数回にわたり高官級協議などを続けることが重要だ。

 30代の若い指導者が今後数十年にわたり体制を維持するためには、経済の安定が必要となる。そうなれば対日関係改善は不可欠と考えるだろう。

 ただ日本にも譲れない線がある。拉致、核、ミサイル問題の解決があって初めて経済支援があることを強く示していかなければいけない。

 拉致問題の解決に向け、日本としては、経済発展を望む北朝鮮の思惑を読みながら、したたかな外交を展開する必要があるだろう。(聞き手 岡田美月)

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