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【ベテラン特派員 米朝語る】金正恩氏を変えた「恐怖」 古森義久特派員「東アジア情勢激変、高笑う中国」 黒田勝弘特派員「体制保証のツケ、どう取り戻す」

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【ベテラン特派員 米朝語る】
金正恩氏を変えた「恐怖」 古森義久特派員「東アジア情勢激変、高笑う中国」 黒田勝弘特派員「体制保証のツケ、どう取り戻す」

北を追い詰めた恐怖が対話に

 黒田「年明けから金正恩が対話路線に転じ、対外関係改善に乗り出した背景は2点ある。何をやりだすか分からない予測不可能なトランプが、核・ミサイル問題を口実に軍事的攻撃をしてくるかもしれないという恐れと、制裁強化による経済難だ。4月の中央委員会総会では、核開発は完成したから今後は経済建設が目標と決めた。しかしどちらかというと前者の意味が大きい。前者はすぐ体制崩壊につながるが、後者は慢性的な問題。北がこだわる体制保証というのは、とにかく戦争をしかけないでくれという意味だ。したがって体制保証と核放棄とが取引になっているのだが、共同声明では体制保証の約束の方が強く出ていて核放棄の約束はない。トランプからすると今後は、核放棄の具体化という金正恩への貸しというかツケを取り戻す番になるが、北相手では制裁や軍事的脅威など脅しと圧力抜きにはツケもなかなか取れない。幸い制裁は続けるとは言っているが」

 古森「共同声明をみると『トランプ大統領は北朝鮮に安全の保証を与えると約束し、金正恩委員長は朝鮮半島の非核化を完結するための固く揺るぎない約束を再確認』と一つの文章で書かれている。非核化をすれば安全を保証するという考えがにじみ出ており、トランプが北側に折れなかったことの証左だ」

 黒田「北に核放棄をさせるという意味での非核化実現はきわめて困難だ。北にとっては完全武装解除になるからだ。その意味で北は米朝交渉を一種の戦争と考えているはずだから、米国をはじめとした国際社会は『戦争も辞さず』という覚悟がないかぎりこの交渉には勝てない。現在は軍事オプションがなくなり、対話と交渉の局面。政権が代わればどうなるか分からない米国頼みの『体制保証』など北も心底では信じてはいないので、核放棄の展望は難しい」

 --首脳会談を行ったことが北を利するのか

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