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【湯浅博の世界読解】「非核化」骨抜きへ北朝鮮のワナ

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 だが、核保有国を建前とすれば、北は1960年代の米ソ両大国のデタント(緊張緩和)のように相互削減を狙えると位置づけよう。3代目は決して「北朝鮮の非核化」とは言わずに、「朝鮮半島の非核化」を主張してきた。

 米朝首脳会談の共同声明は、北の主張通りに「半島の非核化」と曖昧な表現にとどめ、米国が求めた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)の記述がない。解釈に幅を持たせたことで、完全非核化が骨抜きになりかねない。

 それは北の宗主国のような顔をしてきた中国の利害と一致する。後ろ盾ほしさに列車で20時間かけて中国の懐に飛び込んだ3代目は、格好の対米カードになるからだ。使い方によっては、中国が長年求めてきた半島からの在韓米軍撤退への引き金になる。しかも、米国に先行された地政学的変化の主導権を、ここで奪還させることも不可能ではない。

 米国という戦略的競争相手と向かい合う中国にとり、厄介な北は安定した対米緩衝地帯であってほしい。中国指導部は中朝関係の回復で、北の核問題より北が緩衝であることを優先させている。首脳会談を追い風に、中韓の対北経済制裁がなし崩しに緩むことは避けられないだろう。

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