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【湯浅博の世界読解】「非核化」骨抜きへ北朝鮮のワナ

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)とドナルド・トランプ米大統領=12日、シンガポール(AP)
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 劇場型の指導者2人が、互いを「勝者」とたたえ合う姿は、世界に大きな安堵をもたらしたが、遅れてそれ以上の疑念が追いかけてきた。

 シンガポールでの米朝首脳会談は、トランプ大統領の暴言連発の幻惑外交から戦争を回避したが、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、超大国と手を打つという政治的な果実を得ることができた。

 それが北の金王朝にとって「落日の輝き」であるとしても、3代目の金委員長は祖父と父がなし得なかった見果てぬ夢を実現させて満足だろう。世界の最貧国であっても、核兵器の存在が超大国を動かすことができることを実証してしまったからだ。

 6カ月ほど前までの半島情勢を思えば、第2次朝鮮戦争への階段を上っていくような当時の緊張感がウソのようだ。今にも対米戦争を仕掛けるような「強硬度」を一気に下げると、その分だけ周辺国の「安心度」が急騰する。

 金王朝3代目の笑顔がはじけ、肖像画の悪魔が、あたかも平和を運ぶ天使に差し替わったかのようであった。

 もっとも、野心に満ちた3代目の軟化は、保守強硬派のボルトン大統領補佐官の米政権入りで軍事圧力が倍加し、経済制裁によって北の対外貿易が半減したとの情報と無縁ではない。なにより、トランプ大統領がこれまで「在韓米軍の撤退もあり得る」と語り、3代目はこれに反応して軟化してきたから、トランプ氏は釣り名人である。

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