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【緯度経度】北との「影の外交」探ったフランス 三井美奈

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 同年、パリの国連教育科学文化機関(ユネスコ)に北朝鮮代表部が設立され、スイスやスウェーデンなど中立国の大使館とともに北朝鮮の外交窓口となった。81年には仏大統領選の社会党候補だったミッテラン元大統領が訪朝、金日成(キム・イルソン)主席と会談した。北朝鮮の国連加盟は91年のことだ。

 欧州は北朝鮮から留学生を受け入れてきた。正恩氏はスイスに留学。兄の金正男(キム・ジョンナム)氏の息子はフランスに留学した。ドブレ氏は平壌の病院で、「フランスで学んだ」という2人の若い医師に出会ったと明かした。

 一方、北朝鮮と欧州の関係には深い闇がある。ユネスコ代表部や在欧大使館は違法行為の拠点だった。麻薬取引、偽札づくりやマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑が何度も浮上。欧州は松木薫さん、有本恵子さんら日本人拉致の現場でもある。

 現在の欧州にとって、北朝鮮は地政学上の脅威ではない。その分、人権侵害や、国連決議を無視した核・ミサイル威嚇に対し、米国以上に姿勢は厳しい。

 ミッテラン時代、大統領府事務総長として外交を支えたベドリヌ元仏外相は、12日の米朝首脳会談を前に高揚するアジアを冷めた目で見ている。パリの執務室で取材したとき、「北朝鮮がすぐ非核化に応じるわけがない。会談の成果? 緊張緩和しながら現状維持、というところでしょう」と淡々と述べた。

 関心はむしろ、「会談後の世界」にある。首脳会談の結果が米中関係、イラン核問題にどう波及するか。欧州は身を硬くして見守っている。(パリ支局長)

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