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【矢板明夫の中国点描】時代錯誤の軍服姿で革命聖地を訪問した大富豪たち

 インターネット企業に詳しい北京の雑誌編集者は「馬氏らの目的は、共産党と習近平指導部に対する忠誠をアピールすることだ。中国の企業家たちはいま、指導者の気分次第ですべてを失う可能性がある。みんな戦々恐々としている」と指摘した。

 馬氏らが恐怖を感じる理由は複数あるという。近年、経済に対する管理を強化する習指導部によって、企業家が逮捕、拘束されることが急増している。5月10日、中国の保険大手、安邦保険集団の元会長で、詐欺罪などに問われた呉小暉氏が、懲役18年という厳しい判決を言い渡されたことは大きな衝撃となった。

 企業の財務内容を偽って公表させ、金融商品を違法販売して資金を集めたことなどの罪が問われたが、呉氏は最後まで無罪を主張し続けた。かつての最高実力者の●(=登におおざと)小平の孫娘と結婚し、中央政界に太いパイプがある呉氏が、米国などでホテルなどを買収し続け、中国財界の代表のように振る舞い、目立ちすぎて習氏の逆鱗に触れたことが失脚原因の一つともいわれる。

 「政治的にもっとも安全な人」ともいわれた呉氏が投獄されたことで「自分もいつやられるかわからない」という不安が中国の経済界に広がった。

 また、昨年秋から、新華社など官製メディアは何度もインターネットゲームが青少年に与える悪影響を指摘する記事を配信したことから、テンセントが党中央の目の敵にされたとの噂も流れた。

 今年3月、全国人民代表大会で憲法改正が議論されたとき、民営企業家の代表格であるはずの馬氏は「公有制」を支持する発言をしたことも話題になった。

 党に対し忠誠を誓い続ける馬氏の思いは、果たして習指導部に届くだろうか。(外信部次長)

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