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【谷山雄二朗のばかモン英語塾】(38)UNSOPHISTICATED~ビルマの竪琴/ネット動画をSDで観る理由

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 1956年の映画「ビルマの竪琴」を観た。戦前の日本軍を描いたこの作品をこれまで10回以上観ているが、その度に新しく色褪せることがない。4Kさらには8Kという超高画質のDigital時代に、あの低画質、低音質の作品が心に強く迫ってくるのは何故なのか。

 主役は、2人いる。安井昌二演じる水島上等兵は、Burmese harp が上手だ。さらに三國連太郎演じる井上隊長も芸術肌で、自分の部隊を合唱団に仕立ててしまう。

 突然、英印軍と日本軍が一緒に歌い出すなどの不可解な展開もあるが、そこは竹山道雄作のフィクションなのでいちいち指摘しない。

 ただ、ここで考えたいのは水島と井上がともにビルマ語を駆使していることだ。所詮は映画なので、単なる丸暗記棒読みなのかもしれないが、戦前の現地人と会話するシーンが少なくない。「英軍と日本軍は不毛な戦いを続けるがよい。それでも仏陀の国Burmaは、Burmaであり続ける」との深みある僧侶の言葉さえも理解する力が水島にはある。

 あの戦争で仏領インドシナ、英領ビルマ・マレー連邦、蘭領東インドさらに米領フィリピンなどに進駐した日本兵たちは、果たして実際にはどれほど現地語を駆使できたのだろうか。

 水島と井上隊長はじつは流暢なのではなく、荒削りなビルマ語を懸命に喋っているのに違いない。実弾の飛び交う戦時下では、手当たり次第に単語や文法を独学するしか現地語をモノにする方法はなかったはずだ。

 ヴォキャブラリーさえあれば、文法などテキトーでも大概の意図は伝わる。そこを見誤ってきたのが明治以降のわが国の英語教育だ。この結果、言葉が本来もつ荒削りなパワーを殺してしまう。

 62年前の白黒映画「ビルマの竪琴」の最大の魅力も、じつはその荒削りさにあるのではないか。4Kじゃないから最高なのだ。デジタル技術がいかに進化しようとも、人間が思考し言葉を発する唯一の哺乳類である以上、UNSOPHISTICATED 即ち洗練されていない ROUGH なエッセンスこそが最も心の琴線に触れると改めて痛感しているこの頃である。

 スマートフォン中毒の諸君、HDネット動画を捨てよ、画質の粗いSDで観よう。データ料金も安上がりでイイゾ。

Be Dumb, Be Stupid!

公式サイト http://JapanBroadcasting.net/Stupid-English-School

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