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【緯度経度】扉を開けると「移民は来るな」のステッカーが…寛容政策が生んだ新世代「極右」 三井美奈

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 日本に住むのは日本人。韓国に住むのは韓国人。ではヨーロッパには誰が住むのか。

 「絶対に白人だ」と答える人は、欧州で極右と呼ばれる。その中でも、実力行使で移民流入を防ぐ若者集団が勢力を伸ばす。フランス中部リヨンの本拠地を訪ね、本音を聞いた。

 指定された住所は坂の上のバー。青い扉を開けると、「欧州防衛」「移民は来るな」のステッカーがあった。報道担当のロマン・エスピノ氏(25)は小柄な銀行員で、ネオナチの強面(こわもて)とはほど遠い。「私たちは行動する右翼。左翼は『人道主義』と称し、不法移民を助けています」と言った。

 名称は「イデンティテール(英語でアイデンティティー)の世代」。白人キリスト教文化こそ欧州人のルーツ=アイデンティティーと主張し、イスラム移民を「よそ者」とみなす。2012年に発足し、メンバーは20代を中心に国内で約2千人に上る。ドイツや英国、イタリアにも支部があるという。

 先月、雪のアルプス山中で大胆な行動に出た。イタリアからの移民入国ルートを約100人で封鎖した。ヘリコプターを飛ばし、「欧州はあなた方の家ではない。帰れ」と書いた赤い垂れ幕を掲げた。経費は3万ユーロ(約400万円)で、その後も1日1200ユーロ(約16万円)かけて監視を続けた。モスク(イスラム教礼拝所)を占拠したこともある。富裕な支援者が背後にいるのは間違いない。

 「世代」の言葉には、現在の欧州連合(EU)を作った世代への反発がある。1960年代の若者運動の主役たちが、EUにリベラルな価値観を吹き込んだ。通貨統合と検問撤廃で「国境なき欧州」を実現し、人権尊重、異文化共存を掲げた。寛容な難民・移民政策はその延長線上にある。エスピノ氏は「彼らが欧州を駄目にした。伝統をぶち壊した」と言う。

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