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【千夜一夜】グラスに浮かぶシリア難民の顔

トルコ南部キリスの国境検問所の横にある避難民キャンプで暮らすシリアの人々=14日(佐藤貴生撮影)
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 トルコに出張した際に米英仏の対シリア軍事攻撃が起きたので、トルコ南部のシリア国境周辺に足を伸ばし、シリアからきた難民らに話を聞いた。取材の役に立ったのが喫茶店だ。

 トルコではどこに行っても紅茶を飲む人が目につく。おちょこを少し大きくしたような、ひょうたん形の透明のグラスが定番で、何杯も飲んで談笑している風景をよく見かける。シリアとの国境の町キリスでも屋外の喫茶店に入り、「紅茶でも飲まない?」とシリア難民らしき人々に声をかけた。

 おかげで、人々からはじっくり話を聞くことができた。本当にシリアから来たのか確認したいというと、多くの人がトルコ政府が発給した難民認定証をためらうことなく見せてくれた。

 ただ、聞いた話はかなり深刻なものだった。キリスではシリア軍兵士に撃たれたという右腹をみせてくれた人がいた。最大都市イスタンブールで会った人は、「朝8時まで夜通し衣類工場で働いているけど、欧州に行くボートに乗れる金はたまらない」と話した。

 かつて駐在していたロシアからトルコに出張したときもそうだったが、今回もグラスを買って帰り、しばしばトルコ式で紅茶を飲んでいる。シリアを離れ、困窮の中にいる人々の顔が頭をよぎる。しばらくグラスを手放せそうにない。(佐藤貴生)

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