産経ニュース

【環球異見】米中貿易戦争が「勃発」 ウェルト(ドイツ)「敗者に間違いなく含まれる欧州」

ニュース 国際

記事詳細

更新

【環球異見】
米中貿易戦争が「勃発」 ウェルト(ドイツ)「敗者に間違いなく含まれる欧州」

昨年11月、北京の人民大会堂で行われた経済関係のイベントで席を並べるトランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席(AP) 昨年11月、北京の人民大会堂で行われた経済関係のイベントで席を並べるトランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席(AP)

 欧州にとり米国は同盟国でもある一方、中国も重要な貿易相手だ。同紙は中国が欧州に連携を求めていることも指摘し、「立場をとらないままでいるのは難しい」と欧州の苦しい胸中を説明。不公正な貿易を通じた中国の影響力増大を阻止するというトランプ米政権の「目的はまったく理解できる」とする一方、「この手段は世界経済全体を大きく損なうだけだ」と嘆いた。

 一方、独紙フランクフルター・アルゲマイネは5日付社説で、輸出大国として米中双方を重要な貿易相手とするドイツにとって「紛争の先鋭化は危険」と指摘。知的財産問題をめぐる米中の制裁発動まで時間はまだあり、ドイツ政府とEUには仲介に動くよう求め、その際には「米国か中国かの決断を迫られる立場に陥らないよう注意すべきだ」ともした。

 同紙は今回の米中対立が「単なる貿易紛争」でなく、「一極から二極化する国際秩序への移行の始まり」ともみる。中国の目的はかつての「中華帝国」の「力」を回復し、「政治、経済、軍事的に世界最強になること」だが、中国はその経済力も国民平均でまだ米国に遠く及ばず、先端技術も欧米に頼る状況で、「中国は自身の利益のため、勝てない貿易戦争に入るべきではなかった」とした。(ベルリン 宮下日出男)

関連ニュース

「ニュース」のランキング