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【シリア攻撃】「シリア情勢に影響なし」 東京外大・青山弘之教授

青山弘之・東京外国語大教授
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 シリア攻撃はトランプ米大統領の威厳を保つために行われ、それ自体が目的化したものといえる。米国がシリア国内での影響力を取り戻すことにはつながらず、情勢への影響は全くないといっていいだろう。

 “有言実行”を基本姿勢とするトランプ氏にとって、化学兵器使用に反応しなければオバマ前大統領と同じだと批判される懸念があった。攻撃に参加したフランスはイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討における有志連合の中心国の一つで、ポストIS掃討で存在感を示す狙いがあったとみられる。英国はロシア元情報機関員の神経剤襲撃事件をめぐり、英国のロシア対応を支持する米仏との共同歩調を示した格好だ。

 今後、事態が緊迫化する可能性は低い。アサド政権は迎撃の成功を主張し非難を強めるが、報復行為に出るのは難しいだろう。ロシアの地上基地は攻撃対象にならなかったとみられ、ロシア側にとっての「レッドライン」も越えなかった。

 化学兵器使用の調査は、アサド政権側に有利な方向に展開するとみられる。外部の調査機関が化学兵器の使用者特定に踏み込むのは極めて難しい一方、政権側は「制圧した反体制派地域で化学兵器製造拠点を発見した」などと主張することが容易だ。

 今回の攻撃がISやクルド人勢力、反体制派などシリア政治の諸問題に影響を及ぼすことはない。ロシア主導での停戦プロセスが粛々と進んでいくだろう。(聞き手 時吉達也)

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