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【シリア情勢】シリア攻撃現実味…イラン「シーア派の弧」崩壊懸念

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 【イスタンブール=佐藤貴生】シリアのアサド政権による化学兵器使用疑惑で、米仏英などの対シリア軍事攻撃が現実味を増す中、アサド政権に近いイスラム教シーア派の大国イランがどう動くかも注目点となってきた。軍事攻撃にどう対応するかに加え、宿敵イスラエルとの間でも軍事的緊張が高まりつつあり、同国は間隙を縫って自国が攻撃を受ける可能性もあるとして警戒を強めている。

 ロイター通信によると、イラン革命防衛隊の中でも対外工作を担うエリート組織「コッズ部隊」の幹部は12日、イスラエルが挑発的な行動に出れば、同国最大都市テルアビブや北部ハイファを「破壊するだろう」と述べて牽制(けんせい)した。

 イスラエルでは11日、治安担当閣僚らが米仏英などの対シリア軍事攻撃が行われた際の対応策を協議した。シリアと境界を接するゴラン高原周辺では、しばしばシリア領内を飛び立ったイランのものとされるドローン(無人機)が飛来、イスラエル軍が撃墜するなど火花を散らしてきた。

 シリアでは、ロシアの空爆支援を受けるアサド政権軍にイランの軍事顧問団などが影のように同行して支援してきたとみられる。イランの影響下にあるレバノンのシーア派組織ヒズボラは、アサド政権軍と連携して各地に展開している。

 イランによるシリア介入の実態把握は難しいが、シリア内戦発生以来、アサド政権支援に数十億ドルを拠出し、2千人の軍事顧問と2万人の民兵を配置してきたともいわれる。昨年末から今年初めにかけてイラン各地で起きた反政府デモでは、「海外で出費するより国内経済に目を向けよ」といった声が出たほどだ。

 それでもイランがアサド政権を支援するのは、中東地域におけるシーア派ネットワークを確保する狙いがあるからだ。国の西側を見渡せば、隣接するイラクからシリアをへて、ヒズボラが大きな影響力を誇るレバノンに至る。いずれもシーア派と親和性が強い政権や勢力が存在する国だ。「シーア派の弧」「シーア派三日月地帯」などと呼ばれるこのネットワークは、イランが域内で影響力を確保するための生命線といえる。

 米仏英などが対シリア攻撃に踏み切った場合、イランはどう反応するか。イランがシリアでの影響力が損なわれると危機感を抱き、より強硬なシリア政策に傾けば、イスラエルとのいっそうの緊張激化につながる可能性もある。

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