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【矢板明夫の中国点描】中国に勝ち目はない米との報復合戦

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 しかし、こうした中国にとってマイナス面の情報は、共産党当局によって封殺され、リストラされた当事者による書き込みもインターネットから削除されているのが現状だ。中国共産党の機関紙、人民日報などは国民の結束を訴え「米国には無責任な覇権行為の代償を払わせる」といった勇ましいスローガンを連日並べつづけている。

 北京在住の改革派知識人は中国の対応について「勝ち目のない戦争に応じている」と断言する。米商務省の調べによると、中国は2017年、米国製品約1300億ドル分を輸入したのに対し、5千億ドル以上も輸出していた。同率の追加関税を課すと仮定すれば、単純計算で中国は米国の約4倍の打撃を受ける。その上、中国の対米輸出品は労働集約型の工業製品がほとんどで、落ち込むと大量の失業者が発生する。これに対し、中国が対抗措置を講じる品目は大豆、果物、豚肉などといった農林水産業と関連する製品が多く、米労働人口に占める割合は少ない。両国の抗争では中国の経済に対するダメージがはるかに大きくなるという。

 中国の指導者はこうした事情を当然、理解しているようだ。習近平国家主席は10日、海南省での国際経済会議で「中国の開放の扉は決して閉じることはない」と演説。今後、金融業での市場開放、規制緩和の加速、知的財産の保護強化などを柱とする施策の実施を表明した。トランプ米大統領の要求に対し大きく歩み寄りを見せたともいえる。貿易戦争を早く収束させたい本音をのぞかせた。

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