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青山弘之・東京外語大教授 「シリア化学兵器使用、“利益”はアサド政権側に」

シリア・東グータ地区ドゥーマでの化学兵器によるとみられる攻撃後、手当を受ける子供=8日、ダマスカス(ゲッティ=共同)
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 反体制派の制圧を間近に控えたタイミングで、アサド政権側が化学兵器を使用する意義がどこにあるのか、という疑問は当然生じる。真相究明の手段はなく、米欧側のプロパガンダである可能性も排除することはできないが、今回の事態を経て“利益”を得るのは誰かを考えれば、やはりアサド政権側であるといえる。

 ちょうど1年前の4月7日、トランプ米政権は介入に消極的だったオバマ前政権との違いを示そうと、シリア軍の化学兵器使用に報復する形でミサイルを発射した。しかし、内戦はすでに大勢が決し、欧米が積極介入しアサド政権を攻撃する意義はなくなっている。

 現在、シリア情勢はロシア、トルコ、イランが主導する。1年前と状況が一変し、米国が何もできず存在感を失った事実が今回、より明確に示されれば、アサド政権側にとって望ましいことだろう。

 内戦が終結に向かう中、各国の関心事も変化しつつある。アサド政権軍やロシアが反体制派の掃討計画を進める一方、これまで協力態勢にあった欧米とトルコは、一部地域で対立を深める。各国は一連の介入を通じて手にした軍事基地などの利権の維持を目指しており、新たな衝突を生んでいる。(聞き手 時吉達也)

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