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【湯浅博の世界読解】戦略家ニクソンのため息 米中激突を予感させる時代に

ヘンリー・キッシンジャー氏(2009年撮影)
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 米国のヘンリー・キッシンジャー元国務長官が中国との国交樹立に動き始めたとき、自分の生きている間に、中国が米国をしのぐほど強大になるとは考えていなかった。当時、米国の最大の敵は、ソ連の共産主義であり、中国はその「対ソ封じ込め」の戦略カードにすぎなかった。

 キッシンジャー氏が仕えたニクソン政権以来、米国の対中政策は「中国が強大になる前に国際規範に組み込む」ことで足りると考えられていた。クリントン政権の「関与政策」も、ブッシュ政権の「責任ある利害関係者」論も、そしてオバマ政権の大国扱いをすれば責任を果たすとする「戦略的再保証」もまた、この流れに沿っていた。

 しかし、中国が世界の投資市場として経済力をつけるにしたがって様相は一変する。全体主義色の強い国家は、経済力がすなわち軍事費の増大をもたらし、周辺国を見境なく威圧する。

 まして、5日に北京で開幕した全国人民代表大会で、毛沢東なみの「終身国家主席」が誕生することになるとは、ニクソン氏も考えなかっただろう。憲法改正が採択されると、国家主席の任期制限「2期10年」が撤廃されて、習近平氏が2023年以降も主席にとどまる。巨大な軍事力を持つ独裁国家の出現である。

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