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【湯浅博の世界読解】核なき世界訴えても「悪の跳梁」は収まらない 射程内「日本」はトランプ新指針を「高く評価」

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【湯浅博の世界読解】
核なき世界訴えても「悪の跳梁」は収まらない 射程内「日本」はトランプ新指針を「高く評価」

トランプ米大統領=1月30日、ワシントン(AP) トランプ米大統領=1月30日、ワシントン(AP)

 トランプ米政権が打ち出した新たな核政策の指針「核戦略体制の見直し」(NPR)は、やむにやまれぬものだった。いまも核戦力を増強している中国は、「国際秩序を変えようとしている」し、戦術核をちらつかせるロシアは、「大型の北朝鮮」に見える。その北朝鮮は、もちろん「核戦争も辞さない」と威嚇する無頼の国家だ。

 残念ながら核兵器に対しては、核で抑止するしか阻止する方法がない。核をもった3つの「現状変更勢力」の前線にある日本で、河野太郎外相が新指針を「高く評価する」と述べたのは適切な判断だった。唯一の被爆国であるからこそ、「力の均衡」が崩れないよう核戦略の見直しを了承しなければならない。

 北朝鮮の中距離弾道ミサイル「ノドン」の射程内にある日本は、どこよりも過酷な状況に置かれているのに、その自覚がない。まして、米国に届く北の大陸間弾道ミサイル(ICBM)に核の搭載が可能になると、冷戦当時よりも複雑になる。北が核兵器能力を追求する目的の一つは、日米と米韓の同盟関係を揺さぶり、やがては分断することにあるからだ。

 米国の主要都市が北のICBMの脅威にさらされると、日米切り離しの「デカップリング」問題が生じる。北がノドンで日本を攻撃した場合、米国は北の報復攻撃の危険にさらされてまで、日本を核で防衛する用意があるかという問題を引き起こす。

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