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欧州で徴兵制復活の動き 仏、テロ多発に危機感

 ドイツではメルケル政権下で2011年、西ドイツ時代を通じ、第二次世界大戦後の再軍備以来続いた徴兵制を停止した。東西統一と冷戦終結による安保環境の安定化を受け、財政赤字を削減する目的もあった。

 近年は対テロ戦など国外派遣の増加もあって連邦軍の役割が増大し、政府は統一時の50万人超から16万人余りに減った兵力を増員する方針に転換。十分な兵員確保には、徴兵制が有効との声も上がる。

 昨年5月には難民に寛容な政界要人らに対する暗殺を連邦軍兵士が計画していた事件が発覚。軍内部での極右的思想の浸透に警戒が強まると、兵士の出身が一部社会層に偏りかねない公募制でなく、徴兵制を支持する意見も上がった。

 だが、メルケル氏は「連邦軍の問題解決にならない」として徴兵制再開に反対。党として徴兵制を掲げるのは昨年の総選挙で台頭した右派政党「ドイツのための選択肢」(AfD)のみだ。再開を支持する声は今のところ広がっていない。

 ただ、徴兵制の規定は基本法(憲法に相当)で維持されており、簡単な立法で再導入が可能とされる。独メディアによると、政府が一昨年、外部からの侵略の脅威など危機時の民間協力をまとめた計画では、徴兵制再開も想定した内容が入る一方、フォンデアライエン国防相は「現時点では徴兵制回帰は大きな価値をもたらさない」との見解を示した。(ベルリン 宮下日出男)

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