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【宮家邦彦のWorld Watch】「トランプ氏の資質に新事実は無い」「外交安保チームは路線闘争の蚊帳の外」…米政権の内情描く暴露本は必読

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【宮家邦彦のWorld Watch】
「トランプ氏の資質に新事実は無い」「外交安保チームは路線闘争の蚊帳の外」…米政権の内情描く暴露本は必読

英リバプールの書店に並べられたトランプ政権暴露本「炎と怒り」=11日(ロイター) 英リバプールの書店に並べられたトランプ政権暴露本「炎と怒り」=11日(ロイター)

●ジャバンカは単なるセレブ夫婦ではなかった

 バノン氏は大統領娘婿夫婦を「ジャバンカ=ジャレッド+イバンカ」と揶揄(やゆ)した。この若夫婦、化学兵器を使用したシリアへの攻撃やアフガニスタンへの米軍増派問題などでことごとくバノン氏と対立した。その度にジャバンカはメディアに情報リークしてバノン氏を陥れる世論操作を繰り返したという。「かわいい顔して…」、恐ろしい夫婦ではないか。

●外交安保チームはこうした路線闘争の蚊帳の外だった

 「炎と怒り」が扱う外交安保問題は意外に少ない。本書の著者M・ウォルフ氏は、マクマスター氏率いる国家安全保障会議とマティス国防長官やティラーソン国務長官との葛藤に興味がなかったかもしれない。一方、同氏は毀誉褒貶(きよほうへん)相半ばするジャーナリストであり、同書に書かれた内容のどこまでが真実かは今後しっかりと検証する必要があるだろう。いずれにせよ、トランプ政権の実態を知る上で必読の一冊だと考える。

 最後にトランプ政権はどこへ行くのか。同書を読む限りその答えはトランプ氏自身も分からないだろう。引き続き米内政を注視するしかない。

                  

【プロフィル】宮家邦彦

 みやけ・くにひこ 昭和28(1953)年、神奈川県出身。栄光学園高、東京大学法学部卒。53年外務省入省。中東1課長、在中国大使館公使、中東アフリカ局参事官などを歴任し、平成17年退官。第1次安倍内閣では首相公邸連絡調整官を務めた。現在、立命館大学客員教授、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。

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