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【北朝鮮木造船】
漂着、秋以降相次ぐ 食糧不足で危険な漁へ

海上保安庁の巡視船から離れる北朝鮮の木造船(右)=8日午後3時33分、北海道・函館港沖 海上保安庁の巡視船から離れる北朝鮮の木造船(右)=8日午後3時33分、北海道・函館港沖

 北朝鮮籍とみられる木造船の漂流・漂着は秋以降、青森や秋田、新潟など日本海側で相次いでいる。慢性的な食糧不足が続く北朝鮮は国際社会の経済制裁が強まる中「冬季漁獲戦闘」と称して漁業を奨励。簡素で老朽化した木造船で日本海の排他的経済水域(EEZ)にある「大和堆(やまとたい)」周辺などに繰り出し、荒波の中で操業を続けていることが背景にあるとみられる。

 海上保安庁によると、北朝鮮船とみられる漂流・漂着件数は平成25年以降、45~80件で推移し、今年は78件(8日現在)に達した。例年冬場に多く、月別では今年11月が28件で最多となり、12月も19件確認されている。

 今年は生存者が多く発見されているのも特徴だ。26年4人、27年1人だったが、今年は松前小島の10人を含め11月以降で5隻42人。このうち3隻24人は、北朝鮮船がスルメイカ違法操業を続ける男鹿半島(秋田県)から西に約400キロの好漁場、大和堆の周辺海域で救助されている。

 海保関係者は「荒れた海に対応できず遭難した違法操業船も多いだろう。日本海側に漂着したのは大陸からの北西風に流されたからだ」とみている。

 老朽化した北朝鮮船が朝鮮半島から遠く離れた海域で無謀な漁を続けるのは、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が漁獲量向上を求める指示を出しているためだ。11月に始まった集中期間を「冬季漁獲戦闘」と位置付け、国策として冬場の積極的な漁を奨励している。

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