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【矢板明夫の中国点描】墓を造った男の大出世 きついなまりが出世レースではプラスに?

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【矢板明夫の中国点描】
墓を造った男の大出世 きついなまりが出世レースではプラスに?

趙楽際・党中央規律検査委員会書記(共同) 趙楽際・党中央規律検査委員会書記(共同)

 筆者は北京特派員時代にこの地を訪れたことがあるが、古代の皇帝陵並みの立派さに圧倒された。習氏の母親の斉心氏がこの墓を大変気にいり、複数回訪れたという。

 当時の最高指導者は胡錦濤氏で、習氏は実権のない国家副主席にすぎなかった。中国共産党は、指導者個人のためにこのような墓をつくることを原則的に禁じている。趙氏はこうした事情を承知してあえてリスクをとって決断した。

 建設の際に、多くの農地を強制収用したため、地元では反発が大きく、反対デモも起きた。胡指導部が問題視すれば、趙氏の政治生命にも影響が出かねない状況だった。

 結果として、趙氏は賭けに勝った。習近平時代が始まると、趙氏は党中央組織部長の要職にに抜擢(ばってき)され、習派の一人として認められた。

 趙氏の上司に対するきめ細かな配慮は、その後も奏功しつづける。5年間、党人事を取り仕切ったが、重要ポストに空きが出ると、指示されなくても習氏の意中の幹部を事前に察し、根回しをしたうえ、「中央組織部の意見」として人事を提案するやり方に徹し、ここ数年の習派の拡大に大きな役割を発揮した。

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