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イラク・タラバニ前大統領死去 クルド民族自決に尽力

死去したイラクのジャラル・タラバニ前大統領(UPI=共同) 死去したイラクのジャラル・タラバニ前大統領(UPI=共同)

 イラクのクルド系テレビ局によると、イラク前大統領で国内少数派クルド人の民族自決を求めてきたジャラル・タラバニ氏が3日、独ベルリンの病院で死去した。83歳だった。イラク北部のクルド人自治区では9月下旬の住民投票で、独立賛成が9割を超える支持を集めたばかりだった。

 タラバニ氏は1933年11月生まれ。バグダッド大法学部卒。14歳で民族独立を目指すクルド民主党(KDP)に参加して頭角を現した。路線の違いから、75年にKDPを離脱してクルド愛国同盟(PUK)を創設し、フセイン旧政権と対立。政権崩壊後の2005年にイラク大統領に就任し、非アラブ人として初の国家元首となった。

 10年に再選を果たした後は、対立が顕在化したシーア派、スンニ派両勢力の橋渡し役を担ったほか、中央政府とクルド自治政府との交渉も仲介した。12年12月、脳卒中の発作で倒れ、ドイツに移送され治療を受けていた。

 中央政府や周辺国の反対を押し切り、住民投票を強行したKDPのバルザニ議長は投票実施前、タラバニ氏が健康であれば独立の実現はもっと容易だったはずだと語っていた。(カイロ 佐藤貴生、大内清)

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