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米政府、クルド人の住民投票に「深く失望」

 【ワシントン=加納宏幸】イラク北部のクルド自治政府が同国からの分離独立の是非を問う住民投票を実施したことを受け、米国務省のナウアート報道官は25日、「一方的に住民投票の実施を決めたことに深く失望している」とする声明を発表し、自治政府を批判した。米政府はイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討作戦に影響が出るとして住民投票に反対してきた。

 声明は「拘束力がないとはいえ、クルド人地域の不安定さや困難が増す」と強調した。住民投票がクルド人自治区以外でも行われたと指摘。イラク中央政府と係争中の産油地帯キルクークでも実施されたことを問題視したとみられる。

 また、住民投票は自治政府とイラク中央政府や周辺国との関係を甚だしく複雑化させると指摘するとともに、ISなどの過激組織が不安定化に乗じる危険性に触れて、「いかなる当事者による、境界線を変更するような暴力や一方的な動きにも反対する」と米政府の立場を表明した。

 米政府は米軍主体の有志連合によるIS掃討作戦でイラク中央政府、クルド人の双方を支援しており、対立の激化を強く懸念。イラクでのクルド人に対する強硬論の高まりでアバディ首相の政権基盤が揺らぎ、イランの影響力が強まることも恐れている。サンダース米大統領報道官は25日の記者会見で「ISを絶滅し、イランを押し返すため統一されたイラクを望んでいる」と述べた。

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