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BRICSが核実験を非難 中国で首脳会議、パリ協定の履行要求
【上海=河崎真澄】ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)首脳会議が4日、中国福建省アモイで開かれ、6回目の核実験を強行した北朝鮮を強く非難し、地球温暖化防止の枠組み「パリ協定」の全面履行を国際社会に求める「アモイ宣言」を採択した。
宣言は、朝鮮半島の緊張に「深刻な懸念」を表明する一方、問題解決には直接対話による平和的な手段しかないと訴えた。武力行使の可能性も排除していない米国を牽制した格好だ。
議長国、中国の習近平国家主席は、米国の通商政策を念頭に「保護主義に反対する」と発言。宣言に、欧米主導の国際通貨基金(IMF)などの国際経済機関で新興国の発言権を拡大するよう求め、先進国との対抗軸を浮き彫りにした。
共産党大会を10月に控えた中国は、会議を「重要な外交舞台」と位置づけている。国境付近で軍どうしがにらみあいを続けたインドと水面下の交渉で和解。モディ首相の出席をぎりぎりで取り付けた。4日の会議前には習氏とモディ氏は異例の固い握手を交わし、和解ムードを印象づけた。
来年のBRICS首脳会議は南アフリカで開く。