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【宮家邦彦のWorld Watch】「相変わらず」の政治指導者 カイロのメリーゴーラウンドは回り続ける

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【宮家邦彦のWorld Watch】
「相変わらず」の政治指導者 カイロのメリーゴーラウンドは回り続ける

昨年来日し安倍晋三首相(右)と握手するエジプトのシーシー大統領=平成28年2月、首相官邸(宮崎瑞穂撮影) 昨年来日し安倍晋三首相(右)と握手するエジプトのシーシー大統領=平成28年2月、首相官邸(宮崎瑞穂撮影)

 だが、筆者の「相変わらず」感はトランプ政権ではなくエジプトに対するものだ。シーシー政権発足後も経済は停滞し、物価は上昇。外貨準備が不足し、エジプト通貨の闇レートは暴落する。解決にはポンド切り下げ、財政赤字削減、付加価値税導入、補助金削減、社会保障の充実、雇用促進などが求められる。おいおい、これって筆者が研修した80年代に見聞きしたこととほとんど同じではないか。さらに言おう。2008年5月、当時のムバラク大統領も演説でこう述べていた。

 改革は、投資、雇用などに対する需要拡大にあわせて継続されなければならない▽われわれは、生産性や輸出を拡大し、競争力のある技術を改善する必要がある▽われわれは、腐敗に立ち向かい、官僚主義を排除し、経済成長に伴う富の公正な分配の達成にさらに注意を払う。

 もうお分かりだろう。筆者の知る限り、エジプトの政治指導者は、少なくとも過去30年、恐らくは過去数百年間、こうした経済的困難や社会的不公正と戦ってきた。筆者の対エジプト「相変わらず」感の根源はここにある。

 11年、ムバラク大統領が退陣した後、日本のある学者はこう述べた。既存の中東専門家はエジプトの民主化を読み誤った。同国の政治は移行プロセスに入る、この政治理念や制度がエジプトモデルとしてアラブ世界に影響を与える、同国は既にこの方向に動き始めており、大きく脱線することはない。

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