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【宮家邦彦のWorld Watch】「相変わらず」の政治指導者 カイロのメリーゴーラウンドは回り続ける

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【宮家邦彦のWorld Watch】
「相変わらず」の政治指導者 カイロのメリーゴーラウンドは回り続ける

昨年来日し安倍晋三首相(右)と握手するエジプトのシーシー大統領=平成28年2月、首相官邸(宮崎瑞穂撮影) 昨年来日し安倍晋三首相(右)と握手するエジプトのシーシー大統領=平成28年2月、首相官邸(宮崎瑞穂撮影)

 先週久しぶりでカイロから気になるニュースが飛び込んできた。トランプ米政権が人権侵害や北朝鮮との不適切な関係を理由に対エジプト援助の減額と一部延期を決定、これにエジプト外務省が強く反発したという。「あれあれ、相変わらずだなぁ」というのが筆者の率直な印象だった。カイロは外務省入省後、筆者が1979年から2年間アラビア語を研修した思い出の場所。余談だが、当時カイロ大学には小池百合子現東京都知事が留学していた。なぜかエジプトとなると筆者は熱くなる。もちろん気候も暑いが、人情も厚く、文化が良くも悪くも重厚だからだろう。

 今回米国が供与中止・留保を決めた対エジプト援助の総額は以下の約3億ドルだ。

 対外軍事融資は2017年度総額13億ドル中、6570万ドルを中止、16年度分約2億ドルを留保▽経済援助は16年度総額1億5千万ドルのうち、3千万ドルを中止。

 これに対し、エジプト政府は「長年の戦略的関係を正しく理解していないことを示す決定だ」と懸念を表明した。

 エジプトの怒りはごもっとも。本件が米高官筋情報として報じられたのは、大統領の娘婿クシュナー上級顧問のカイロ訪問直前だったからだが、米側の措置には経緯がある。人権弾圧を懸念する議会の要請や政策的理由があることはエジプトだって百も承知。通常なら、米政府は国務省、国防省などあらゆるチャンネルを通じて、エジプト側に事前通報するのだが、もちろんトランプ政権は「通常」とは言い難い。これだけでも米外交当局が今も正常に機能していないことは明らかだ。

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