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盤石メルケル氏、論戦は低調 独総選挙まで1カ月

経済紙のイベントで講演するドイツのメルケル首相=23日、ベルリン(ロイター) 経済紙のイベントで講演するドイツのメルケル首相=23日、ベルリン(ロイター)

 不透明な国際情勢を受けた有権者の安定志向もメルケル氏に追い風となり、論戦は今のところ低調。選挙戦は「無風」(南ドイツ新聞)との懸念も強い。

似通う二大陣営

 ただ、社民党が攻めあぐねるのはメルケル氏の戦術だけではなく、大連立を組んだため、関心の高いテーマで明確な違いを鮮明にしづらい側面もある。

 両陣営は所得減税などを掲げ、社民党の方が中低所得層への配慮が強いが、規模はともに150億ユーロ(約2兆円)。テロを受けた治安や難民申請を拒否された者の送還徹底の方向でも大差はない。

 同盟と社民党は近年、メルケル氏が「脱原発」にかじをきり、最低賃金なども導入する一方、社民党はシュレーダー前首相の下で構造改革を断行し、互いの政策が“中道”寄りにシフトしてきた経緯もある。ドイツ経済研究所は各党の支持者の年齢や職業、所得などを分析した結果、「両陣営の支持層の構造が似通ってきた」とも結論づける。

「同盟の右」

 一方、激しいのは第3勢力争い。同盟は単独過半数を制すのが困難視され、その行方は次の連立政権のカギを握る。同盟の連立候補と目される環境重視でリベラル派の90年連合・緑の党や中道の自由民主党の2党を含め、計4党が支持率8%前後でひしめく。

 その中でも反難民や反イスラムで大衆迎合主義(ポピュリズム)的と批判される新興右派「ドイツのための選択肢」(AfD)は一時の勢いは衰えたが、初の国政進出の可能性が高まっている。実現すれば、「同盟より右はない」とされた戦後のドイツ政治に大きな衝撃となる。

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