産経ニュース

台湾・戒厳令解除30年 「白色テロ」時代の解明ようやく一歩

ニュース 国際

記事詳細

更新


台湾・戒厳令解除30年 「白色テロ」時代の解明ようやく一歩

緑島に残る後期の政治犯収容所「緑洲山荘」跡=2008年8月(田中靖人撮影) 緑島に残る後期の政治犯収容所「緑洲山荘」跡=2008年8月(田中靖人撮影)

 台北市内の収容所で5年の刑期を終えて実家に戻ると、母親は精神を病んでいた。今でも毎日午前4時半に目が覚める。銃殺される収容者が連行される時間だ。当時は「次は自分かも知れない」と恐れた。

 中国国民党の蒋介石政権は当初、「共産党のスパイ」を摘発、奨励金目当てに密告された人もいた。

 戒厳令の解除は突然、訪れた。蒋介石の死後に総統となった長男、蒋経国は86年10月、米ワシントン・ポスト紙社長キャサリン・グラハム女史との会見で解除の意向を表明、関連法案の整備を待ち87年7月15日午前零時に解除された。当時、副総統だった李登輝元総統は、同女史との会見前後に蒋経国から解除の方針を伝えられたという。李氏は産経新聞の取材に「解除は当たり前で遅いくらいだ。あまりにも長すぎた」と振り返る一方、「戒厳令の解除で民主化ができるようになった」と評価した。

 38年間の戒厳令時代に何人が逮捕・投獄され処刑されたのか、正確な資料はない。98年から2014年まで設置された補償基金会の調査によると、死刑は809人。国防部(国防省に相当)は05年、逮捕者は約1万6000人と報告した。だが、関与した治安機関は他にもあり、14万人が不当に逮捕され4000人が処刑されたとの推計もある。

続きを読む

このニュースの写真

  • 台湾・戒厳令解除30年 「白色テロ」時代の解明ようやく一歩

「ニュース」のランキング