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インドで「牛肉殺人」多発 モディ首相「誰も牛の名のもとに人を殺してはならない」

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インドで「牛肉殺人」多発 モディ首相「誰も牛の名のもとに人を殺してはならない」

インドのナレンドラ・モディ首相 インドのナレンドラ・モディ首相

 【ニューデリー=岩田智雄】インドで、牛肉を売ったり食べたりしたなどの疑いをかけられた市民が暴徒に襲撃される事件が急増している。国民の約8割を占めるヒンズー教徒の多くが、牛を神聖視していることが背景にある。ヒンズー至上主義のインド人民党(BJP)が与党のモディ政権が誕生した2014年5月以降に事件が集中しているとの分析があり、一部の市民がモディ政権下で行動を過激化させているといえそうだ。

 6月22日、首都ニューデリー近郊のハリヤナ州で列車に乗っていたイスラム教徒の少年(15)が、十数人の男に「牛肉を食べた」といいかがりをつけられ、刺殺された。少年は牛肉を食べる習慣はなかったが、暴徒らは、服装で少年を牛肉を食べるイスラム教徒と決めつけたらしい。

 インドのデータ・ジャーナリズム市民グループ「インディアスペンド」の調査によると、2010年から今年6月25日までの間に、63回の牛肉(水牛を含む)に関連した襲撃事件があり、28人が殺害された。事件の97%はモディ政権発足後に起きた。死亡した28人のうち、大半の24人は牛を神聖視しないインドで少数派のイスラム教徒で、ヒンズー教徒、シーク教徒、キリスト教徒も暴力の標的になっている。

 市民の間では、こうした犯罪を批判する声が高まり、6月28日、首都ニューデリーなど13都市で、計約6000人が牛肉関連を含む集団暴行事件を批判する抗議集会を行った。

 モディ首相は29日の演説で「誰も牛の名のもとに人を殺してはならない」と訴えた。しかし、その当日にも、東部ジャルカンド州で食肉業者のイスラム教徒の男性が集団暴行を受けて死亡し、同種の事件の発生は収まっていない。

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