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暴言王に潜む現実主義者の顔 米中をてんびんに実利取る ドゥテルテ比政権発足から1年

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暴言王に潜む現実主義者の顔 米中をてんびんに実利取る ドゥテルテ比政権発足から1年

海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」を視察するフィリピンのドゥテルテ大統領=4日、フィリピン北部スービック(共同) 海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」を視察するフィリピンのドゥテルテ大統領=4日、フィリピン北部スービック(共同)

 フィリピンの人権状況に、当時のオバマ米大統領は昨年9月、懸念を表明。これに激高したドゥテルテ氏が暴言を吐き、初の首脳会談は中止になった。その後も「米国は地獄に落ちろ」などと発言。10月の訪中では、南シナ海の領有権問題の2国間交渉で習近平国家主席と合意した。

 ただ、安全保障面で大きな妥協はなく、大国をてんびんにかけ、経済支援などの実利を取る姿勢を鮮明にしている。中国の南シナ海の主権主張を否定した仲裁裁判所の裁定について、習氏と「棚上げ」で合意しながら、直後の訪日では、安倍晋三首相と南シナ海の「法の支配」の重要性を確認。南シナ海の実効支配を着々と固めて「主権」は維持する姿勢を貫く。米国との「決別」を宣言しながら、今年5月の米比合同軍事演習は規模を縮小して継続実施した。麻薬対策に「理解」を示すトランプ米大統領との関係も良好だ。

 懸案は、南部ミンダナオ島で1カ月以上続くイスラム過激派との戦闘だ。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓う武装勢力で、早期に掃討できなければ指導力が疑問視される。マニラの安全保障専門家、ホセ・アントニオ・カストディオ氏は、7月下旬が期限の戒厳令が地域拡大や長期化すれば、「政権への不信と政府軍の疲弊で、政情は不安定化する」と警告する。ドゥテルテ氏は30日に初めて戦闘地入りする意向を示している。

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