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暴言王に潜む現実主義者の顔 米中をてんびんに実利取る ドゥテルテ比政権発足から1年

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暴言王に潜む現実主義者の顔 米中をてんびんに実利取る ドゥテルテ比政権発足から1年

海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」を視察するフィリピンのドゥテルテ大統領=4日、フィリピン北部スービック(共同) 海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」を視察するフィリピンのドゥテルテ大統領=4日、フィリピン北部スービック(共同)

 【シンガポール=吉村英輝】フィリピンのドゥテルテ政権発足から30日で1年を迎える。飾らない人柄もあり、国内では高い支持率を維持する。一方、違法薬物取り締まりなどに象徴される強権政治への批判は根強く、治安対策では戒厳令発動にも踏み切った。外交面では、反米感情をあらわにした“暴言”などで注目された一方、南シナ海問題では中国に歩み寄って経済協力を取り付けるなど、現実主義者としてのしたたかさも発揮している。

 「ドゥテルテ氏により、リスクにさらされる兆候がある」。比経済紙ビジネス・ワールド(電子版)は25日、英調査会社のこんな経済見通しを伝えた。消費や政府支出に支えられて今年の成長率は目標の6・5%を達成する見通しながら、政治の不安定を嫌気した外資の流入停滞を招きかねない、との警告だ。

 市長時代に南部ダバオの治安を劇的に改善した実績が評価され、昨年5月の大統領選で圧勝を果たした。今年3月の支持率調査では、国民の75%が仕事ぶりに「満足」と回答。昨年7月から今年5月23日までに、薬物関連容疑者約7万8千人を逮捕し、密売人や中毒者ら128万6千人が出頭した。多くの市民が治安改善を実感している。

 一方、ドゥテルテ氏は超法規的措置も辞さない「麻薬戦争」を掲げ、警察による射殺などで死亡した薬物容疑者は同期間で3027人。自警団らによる原因不明の関連殺人死者は数千人以上とされ、欧米や人権団体は抗議を続ける。国民も9割以上が死者を出さない対応を望んでいる。

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