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【アメリカを読む】くすぶる対中貿易戦争の火種 トランプ氏鉄鋼輸入の調査指示 強硬派と国際派の双方から「いいとこ取り」で翻弄

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くすぶる対中貿易戦争の火種 トランプ氏鉄鋼輸入の調査指示 強硬派と国際派の双方から「いいとこ取り」で翻弄

 トランプ氏の指示は特定の国の鉄鋼製品を名指ししているわけではない。トランプ氏は記者団に対して「この指示は中国とは関係のないことだ」と述べており、日本や韓国などの鉄鋼製品についても調査が行われるとみられる。

 しかし中国が鉄鋼製品の過剰生産能力を維持し、ダンピング(不当廉売)を行っていることは国際的に問題視されており、トランプ氏が不満を抱いているのは周知の事実だ。ロス氏は記者団への説明で、中国からの鉄鋼輸入について「国内産業への影響は甚大だ」と強調。米紙ニューヨーク・タイムズは「中国に照準が当たっていることは明らかだ」としている。

 トランプ氏の指示は米通商拡大法に基づいたもの。鉄鋼輸入が安全保障に悪影響を与えていると判断されれば、トランプ氏は関税を含めた対抗措置をとって悪影響を排除することができる。

 米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、同様の調査は1970~80年代に機械や半導体の輸入抑制を正当化するために行われていた。しかし95年に世界貿易機関(WTO)が設立されてからは、ほとんど発動されることがなかったという。今回、ロス氏が270日以内にトランプ氏に提出する報告書で中国からの鉄鋼輸入を問題視すれば、米国の通商政策がWTO前の時代に逆戻りしたことを示すものともいえる。

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