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中国、今後30年間続く一人っ子政策の後遺症 3000万人「男が余剰」 結婚望まぬ女性多く、さらに深刻 誘拐や性犯罪の背景にも

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中国、今後30年間続く一人っ子政策の後遺症 3000万人「男が余剰」 結婚望まぬ女性多く、さらに深刻 誘拐や性犯罪の背景にも

婚姻届を提出し、ポーズをとるカップル=14日、北京(ロイター) 婚姻届を提出し、ポーズをとるカップル=14日、北京(ロイター)

 中国でいびつな男女人口比が深刻な社会問題になりつつある。今後、結婚できない男性は3千万人に上るとの試算も出た。1970年代末に始まった人口抑制策「一人っ子政策」の結果、女児より男児を望む傾向が強まったことが背景にある。(北京 西見由章)

 「3千万人の“余剰男”は誰と結婚するのか」。中国共産党機関紙、人民日報(海外版)は13日付で大型特集を組んだ。中国人口学会の●振武会長は同紙に、今後30年間で結婚適齢期を迎える男性の数は女性を少なくとも3千万人上回ると指摘した。

 「情人(恋人)●(=竹かんむりに却の去が食へんの旧字体のひとがしらを取る)」と呼ばれる14日のバレンタインデーにあたり、他にも多くの国内メディアが「男性余剰」の現状を警告した。

 中国国家統計局によると、2015年の出生人口のうち、女児を100とした場合の男児の割合は113・51と、世界各国の中で最も高かった。過去最高値だった04年の121・2からは下落傾向にあるものの、一般的に自然な出生比率とされる103~107を依然として大きく上回っている。

 原因ははっきりしている。農村を中心に男児を望む傾向が伝統的に強い中国では、一人っ子政策が本格化した1980年代以降、超音波検査による胎児の性別診断技術が発達。女児と判明した場合、人工中絶するケースが相次いだのだ。

 中国政府は2002年、医学上の必然性がない胎児の性別診断や、男女の産み分けを理由にした中絶を禁止したが、抑止効果には限界があった。15年には少子高齢化対策として一人っ子政策の廃止を公表し、今後も男児の出生比率は減少し続けるとみられる。ただ当面、適齢期を迎える男性の数は年平均で女性を約100万人上回るとされる。

 14日付の中国英字紙チャイナ・デーリーは、中国では多くの女性が結婚を選択しなくなっており、結婚できない男性の数は予想よりもさらに増える可能性があるとの専門家の予測を紹介。単なる男性の結婚難だけでなく、女性・子供の誘拐や人身売買、性犯罪などの社会問題を引き起こしていると指摘されている。

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