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【マーライオンの目】
ミャンマーでサクラは咲くか

10月31日夜、ミャンマーの最大都市ヤンゴンにある寺院、シュエダゴン・パゴダの敷地で、植樹した桜の苗木を確認する中原一就さん 10月31日夜、ミャンマーの最大都市ヤンゴンにある寺院、シュエダゴン・パゴダの敷地で、植樹した桜の苗木を確認する中原一就さん

 ミャンマーの最大都市ヤンゴン中心部で黄金に光り輝く寺院、シュエダゴン・パゴダ。軍政時代を通じ市民が心のよりどころにしてきた。その敷地に今年、暑くても育つヒカンザクラの苗88本が植えられた。

 「一部は根付いた。数年で花をつけるはずです」

 ほかの日本人同志らと植樹した中原一(かず)就(なり)さん(26)が案内してくれた。東日本大震災の翌年、上智大仏語学科を卒業したが就職せず、日本の自給力の向上が必要だと考えて北海道に渡り、コメやホウレンソウの栽培技術を身につけた。

 より広い土地を模索していたとき、内戦が続くミャンマーの医療支援に携わってきた医師の林健太郎氏と出会い、2013年5月にミャンマーを訪れた。

 人口の6割が従事する農業の発展のため、林氏と単価の高い香辛料「八角」の栽培を行うと決めた。抗インフルエンザ薬タミフルの原材料にもなるが、ミャンマーと気候が似通う中国・雲南省が生産をほぼ独占している。タミフルの特許が23年に切れれば、世界的な需要の増大も予想される。

 各地で種をまき、7カ所で成長を確認したという。本格的な収穫は早くても20年だが、成功すれば農村部の貧困解決にも“特効薬”となる。両国友好の結実を、満開のサクラと祝える日が来れば素晴らしい。

     (吉村英輝)

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