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亀裂深まる核軍縮 日本は苦渋の選択 急進的な核禁止条約に反対

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亀裂深まる核軍縮 日本は苦渋の選択 急進的な核禁止条約に反対

27日、ニューヨークの国連本部で取材に応じる佐野利男軍縮大使(共同) 27日、ニューヨークの国連本部で取材に応じる佐野利男軍縮大使(共同)

 【ニューヨーク=上塚真由】国連総会第1委員会で27日、非核保有国が主導した「核兵器禁止条約」交渉開始を定めた決議が採択され、条約に強く反対する核保有国との亀裂は一層深まった。唯一の被爆国であり、米国の「核の傘」に入る日本は難しい選択を迫られた。

 核兵器禁止条約をめぐる議論の背景には、米露など核保有国による核軍縮が停滞し、一部の非保有国が危機感を募らせたことにある。非保有国は核兵器の非人道性を強調して、核兵器の違法性を明確にすべきとの国際世論を喚起し、交渉開始までこぎつけた。

 これに対し、世界の核兵器の9割以上を保有する米国とロシアは、核抑止力に依存する世界の安全保障の現状を考慮していないとして、核兵器禁止条約に明確に反対している。

 日本は核廃絶の理念を掲げており、対応に苦慮した。外務省関係者によれば、決議案に国際社会の総意と安全保障の重要性を盛り込むよう説得を続けたが反映されず、反対票を投じたという。

 同盟国である米国への配慮を優先したとの批判も上がるが、外務省関係者は「核抑止のもとで北朝鮮問題などに対処し、核保有国を入れた形で核軍縮を進めていくのが基本的な立場」と強調する。核廃絶に向けた具体的な取り組みに期待が高まる中、米露が協力する見込みはなく、条約の実効性という点でも大きな課題が残っている。

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