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【話の肖像画】元台北駐日経済文化代表処代表・羅福全(2)国民党の戒厳令下で逮捕も

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【話の肖像画】
元台北駐日経済文化代表処代表・羅福全(2)国民党の戒厳令下で逮捕も

母、姉とともに、幼少期に暮らした東京・久が原の家で (本人提供) 母、姉とともに、幼少期に暮らした東京・久が原の家で (本人提供)

 〈国民党は中国で中国共産党との内戦が激化し、台湾への支配を強化。国民党の独裁的な支配に台湾住民は不満を募らせていく。翌年2月28日、台湾住民と当局による大規模な衝突(二・二八事件)に発展し、当局が住民に発砲するなど武力で鎮圧。民衆への弾圧は続き、一連の犠牲者は数万人ともいわれる〉

 嘉義は非常に激しい攻防でした。市内は銃撃戦があるので、母は私たちを連れて市外の親類の家を渡り歩きました。落ち着いたと思い帰ったところで、駅前で行われた銃殺刑を見ました。うちは駅から200メートルくらいのところで、2階から見えたんです。トラックの後ろで手を縛られ、首から下げられた白い札には黒い字で何かが書かれ、その上から赤でペケされて。トラックから降ろされたところを、パンと。中には、人望の厚い医者もいました。あのころ、歌がありました。「われわれは祖国に帰った。ところがその夢は1年ちょっとで破れた」という意味の歌でした。

 〈台湾ではその後、38年間という世界最長の戒厳令が敷かれ、“監獄島”といわれたこともある。その中で学生生活を送った〉

 もちろん日本語はしゃべっちゃいけない。学校では地元の台湾語もだめ。学生の集会は禁止され、歴史の授業は中華民国の歴史というか、国民党の正統性を学ぶものでした。学校の先生の中には特務、いわゆるスパイがいて、校長や先生、学生を監視しています。蒋介石(初代総統)の統治というのは、この特務で統治しているようなものでした。私は中学2年のとき、身分証を携帯せずに旅館に泊まったため逮捕され、迎えが来なければ離島に送ると脅されたことがあります。(聞き手 金谷かおり)

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