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【緊迫・南シナ海】中国が領土に固執するのはなぜか 中華思想2千年の「大一統」の呪縛とは…

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【緊迫・南シナ海】
中国が領土に固執するのはなぜか 中華思想2千年の「大一統」の呪縛とは…

 さらに、九段線の原型(十一段線)が、南京で制定されたのは戦後の47年にすぎない。

 スプラトリー諸島まで含む南シナ海統治が中国、台湾の「領土主権」に現実にかかわったのは戦後だ。しかも、50年代にはフィリピン、南北ベトナムも、それぞれ領有権を訴え始めていた。

 しかし、中国の視点では、かつて国民党政権が定めた境界を完全に引き継ぎ、実効支配しないことには、共産党政権の正統性が揺らぎかねない。この国家統一の情念が、現代に息づく「大一統」の思想だ。

 ハーグの仲裁裁判に関する中国国内の議論でも、「大一統」の思想に基づく中国の領土主張は、主権国家の平等な権利を認めた国際法とは「符合しない」とされていた。

 習近平国家主席にすれば、いかに「独善的」とみられても、「大一統」の実現こそが正義であり、放棄や失敗は許されない。この思想的な葛藤が、仲裁の拒否など「法の支配」との対立の背後に存在している。(山本秀也)

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