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ASEAN、仲裁裁判断前に「対中団結」目指す 中国は揺さぶりで対抗

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ASEAN、仲裁裁判断前に「対中団結」目指す 中国は揺さぶりで対抗

 【シンガポール=吉村英輝】中国が南シナ海の岩礁などで軍事拠点化を進める中、一部加盟国が領有権をめぐって中国と対立するASEANでは、連帯の強さが問われる事態が続いている。常設仲裁裁判所が近く示すとみられる判断に対し、一致した対応が取れるかが今後の結束を占う試金石となりそうだ。

 ベトナムのクアン国家主席は12日、初の外遊先としてラオスを訪問し、ブンニャン国家主席と会談した。ベトナムからの報道では、両者は友好関係の強化を確認し、南シナ海問題では、他のASEAN加盟国と国際法による平和的解決を目指すことで一致した。

 南シナ海の領有権を中国と争うベトナムには、今年のASEAN議長国でもあるラオスが、経済面などで依存する中国からの圧力に屈しかねないとの懸念がある。クアン氏は14日、加盟国の中で最も「親中派」とされるカンボジアも訪ね、結束を呼びかける。

 一方、中国の王毅外相は4月にブルネイ、カンボジア、ラオスを訪問。3カ国との間で、南シナ海問題は「当事国同士の直接対話で解決すべきだとの認識で一致した」と表明。シンガポール外務省高官は「常設仲裁裁判所の判断を控え、ASEAN分断と解釈できる行為だ」と強く反発した。

 フィリピンやベトナムは、ASEANが結束してこの問題を中国と協議してきたことから、裁判所の判断を受けた共同声明の発出を加盟国に求めている。

 これに対し、自国に不利な判断が予想される中国は、ASEAN各国が支持に回れば外交関係や経済活動に影響が広がるとの焦りを強めており、「切り崩し工作」はなお続きそうだ。

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