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ロシア極東で相次ぐ市長や副知事摘発 懲りない汚職体質に日本の経済協力にも冷や水 

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ロシア極東で相次ぐ市長や副知事摘発 懲りない汚職体質に日本の経済協力にも冷や水 

露極東で高官が摘発された主な事件 露極東で高官が摘発された主な事件

 【モスクワ=黒川信雄】ロシア極東で高官の摘発が相次いでいる。1日には職権乱用と贈収賄容疑でウラジオストク市長が拘束された。露政府が開発を重視する極東では、汚職が横行し中央政府への反発も強い。日本政府も極東開発に意欲を示すが、一向に改善しない腐敗体質に関係者からは落胆の声も聞こえる。

 ウラジオストクのプシカリョフ市長は、道路工事などを親族が経営する企業に不正に受注させたなどの疑いで、露連邦保安局(FSB)と連邦捜査委員会に拘束された。市に1億5800万ルーブル(約2億5千万円)の損害を与えたという。ウラジオストク市をめぐっては、退職後を含め3代続けて市長が摘発された。

 露極東では5月にウラジオストクを中心とする沿海地方の副知事が辞任直後に職権乱用などの容疑で、3月には極東連邦大学学長が不透明な取引などを理由にそれぞれ逮捕された。

 アジアの経済発展を取り込むため、プーチン政権は2012年にウラジオストクで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を機に、極東の大規模開発に乗り出した。日本も安倍晋三首相が5月の訪露の際、プーチン大統領に極東の産業振興への協力を申し出た。

 だが、極東はソ連崩壊後、中央政府の開発計画から長年取り残され、汚職や犯罪、違法ビジネスが横行。「犯罪組織との関係」(政治専門家のカラチョフ氏)が指摘される人物が市長や知事に就任するケースもあり、中央による人事や経済政策への関与が活発化した現在も、深刻な腐敗体質がぬぐえていない。

 極東住民は中央政府への反発心が強く、与党「統一ロシア」の支持率低迷につながっているといわれる。プシカリョフ氏は与党の中心人物である沿海地方知事との対立が指摘され、今回の摘発は9月の下院選などを前に、同氏を排除する狙いとの見方も出ている。

 日本企業の対露ビジネスを支援するジェトロ・モスクワ事務所の野村邦宏所長は「印象が非常に悪い」と指摘するなど、日本の投資熱に冷や水を浴びせかねないとの懸念が出ている。

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