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世紀のバラマキ策の是非めぐりスイスで国民投票 全住民に月27万円を支給、外国人も対象

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世紀のバラマキ策の是非めぐりスイスで国民投票 全住民に月27万円を支給、外国人も対象

 【ベルリン=宮下日出男】スイスで5日、全ての住民に対して無条件に毎月、一定額を支給する「最低所得保障」(ベーシック・インカム)の導入をめぐる国民投票が実施された。否決されるとの見方が強いが、最低所得保障の是非を国民全体に問うのは世界で初めてといい、欧州では新たな社会福祉のあり方の一つとして議論になっている。

 投票は市民団体が必要な署名を集めて実現。具体的な制度内容は可決された場合に法律で決めるが、団体側は大人に月2500スイスフラン(約27万円)、子供に625スイスフランを支給するとし、国内の外国人も対象に想定している。

 推進派は最低所得保障の導入で国内の貧困や不平等の是正につながると主張。失業手当などの社会保障と入れ替えることで行政効率化も図れるとする。だが、反対派はコストが大きく膨らむ上、逆に人々の労働意欲をそぎ、生産性を低下させると反論している。

 スイス政府やほとんどの政党は最低所得保障の導入に反対を表明。投票直前の世論調査では約7割が反対しており、国民投票で可決される公算は小さい。これに対し、推進派の市民団体側は「幅広い議論の開始こそが勝利」だとしている。

 最低所得保障をめぐっては他の欧州諸国でも議論されており、フィンランド政府やオランダの自治体が効果を検証するため、来年から一部に対して試験的に導入する方針も示している。

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