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【台湾新総統】中国へのリップサービスなく、ビジネスライク 東大東洋文化研究所・松田康博教授

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【台湾新総統】
中国へのリップサービスなく、ビジネスライク 東大東洋文化研究所・松田康博教授

松田康博・東京大東洋文化研究所教授 松田康博・東京大東洋文化研究所教授

 蔡英文氏の就任演説は、自身を総統に選んだ台湾の人々と社会に責任を負うことに重点が置かれた。中台関係に関しては中国が最低限求める内容にとどまり、新味はなく想定の範囲内だ。中台の歴史的な関係など中国としてはもっと進んだ表現を期待していただろうが、リップサービスはまったくなく、ビジネスライクな印象を受けた。

 「一つの中国」原則を確認したとされる「92年コンセンサス」の受け入れを求めていた中国への配慮は控えめで、対中関係で妥協をしない政治姿勢を示したといえる。

 蔡氏は1992年に中台の窓口機関が会談したという「歴史的事実」を尊重するとの表現を使った。すでに言及している内容だが、中国側も最近使い始めた表現だ。今後、「92年コンセンサス」に代わる中台の新たなキーワードとなる可能性がある。

 ただ仮に水面下の交渉が決裂していた場合、今後の両岸関係は不確実性が増すだろう。中国側の出方は予想が難しいが、いったん蔡氏への批判キャンペーンを始めると後戻りはできなくなる。当面は双方が互いの出方を見守るのではないか。(談)

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