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ドイツ東西統一導いた「永遠の外相」 89歳で死去したゲンシャー氏 粘り強い交渉、高い洞察力へ評価惜しみなく

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ドイツ東西統一導いた「永遠の外相」 89歳で死去したゲンシャー氏 粘り強い交渉、高い洞察力へ評価惜しみなく

 【ベルリン=宮下日出男】「永遠の外相」(独メディア)-。東西冷戦時代から長年に渡り、ドイツ外交の舵を担った元外相、ハンスディートリヒ・ゲンシャー氏が3月31日、89歳で死去した。対話を重視する姿勢は東西ドイツ統一と冷戦終結に大きく貢献したとされ、ドイツ国内で悼む声が広がった。

 「きょう、ここに来たのは皆さんが出発できることを…」

 1989年9月。当時のチェコスロバキアの西独大使館のバルコニーで、ゲンシャー氏が眼前に集まった東独亡命者4千人超に西独への受け入れを伝えると、最後の言葉は大歓声にかき消された。「人生で最も感動したときだ」と本人が後日振り返った場面だ。「ベルリンの壁」はこの2カ月後に崩壊した。

 過度の敵対を避け、粘り強く対話を続ける。そんなゲンシャー氏の姿勢は名前にちなみ、「ゲンシェリズム」と称された。

 東西冷戦の中で緊張緩和を訴え、1980年代にソ連にゴルバチョフ共産党書記長(当時)が誕生し、ペレストロイカ(再建)を掲げると、「ゴルバチョフ氏の言葉を信じよう」と呼びかけた。ソ連の変化を好機ととらえたのは当時のコール西独首相より早く、洞察力が高く評価されている。

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