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【千夜一夜】在留邦人の楽しみが奪われることがないように

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【千夜一夜】
在留邦人の楽しみが奪われることがないように

 カイロでは年に2回、日本人コミュニティーのソフトボール大会が開かれている。67回の開催を数える伝統あるイベントだ。投手が高さ1・8メートル以上の山なりの球を投げる「スローピッチ」ルールが採用されるなど誰もが参加できるよう工夫されていて、娯楽が少ないエジプトの在留邦人にとっては大きな楽しみになっている。

 参加しているのは、大使館や日本人学校といった業種別チームや、駐在企業の連合など8チーム。カイロに支局を置く報道各社も「ペンズ&マイクス(略してペンマイ)」というチームを結成していて、この日だけは普段の競争関係を忘れて大会の盛り上がりに一役買っている。先月行われた大会では2年半ぶりに一勝を挙げ、大いに士気が上がったところだ。

 そんなソフトボール大会だが、ムバラク政権が倒れた2011年の政変後は、エジプト国内の治安悪化などで中止を余儀なくされたこともあった。そうでなくとも、わがペンマイにとっては、中東情勢の流動化はチームの危機に直結する。以前は大会直前に出張者が続出し参加が危ぶまれたこともあった。

 今年も中東の先行きは不透明だが、せめて邦人のささやかな楽しみが奪われることがないよう、少しでも安定に向かってほしいと願っている。(大内清)

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