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【緊迫・南シナ海】「中国の密漁に漁場奪われた」立ち上がった比漁民、国連に嘆願 1万人超が転職強いられ

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【緊迫・南シナ海】
「中国の密漁に漁場奪われた」立ち上がった比漁民、国連に嘆願 1万人超が転職強いられ

南シナ海の漁場を中国に奪われたとして、国連に嘆願書を提出したフェデリコ・ジョソルさん。後ろは、かつて乗船していた漁船=フィリピン北部サンバレス州(吉村英輝撮影)

 中国公船は、同礁に近づくフィリピン漁船を放水で追い返す行為を続けており、ジョソルさんの収入は10分の1以下に激減。ある政府試算は、同礁で生計をたてていたフィリピン漁民1万2千人が転職などを強いられたとしている。

 嘆願活動を支援しているフィリピン大のハリー・ロケ教授(法学)は、通常は自国の政府を国連に訴える権利侵害事案が他国(中国)を対象とするのは「異例」とした上で、「領有権紛争は国家間だけではなく、そこの資源を頼りに暮らす多くの人に影響を与える」と意義を訴える。

 ロケ教授によると、同委員会が伝統的漁民に権利を認めた例もあり、嘆願が漁民への補償につながる可能性もある。また、嘆願は同委員会に受理されているが、中国側からの反応は8日までにないという。

 フィリピン政府は、常設仲裁裁判所に、中国による南シナ海の領有権主張は国際法に違反すると提訴。同裁判所は先月末、対応を拒否する中国抜きで口頭弁論を終えた。来年中に判断を下すが、ロケ教授によると、漁民らの嘆願内容は同裁判でのフィリピン側主張にも活用されたという。

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