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ロシアが北方領土で軍備増強 軋む「辺境」支配、経済圧迫は確実

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ロシアが北方領土で軍備増強 軋む「辺境」支配、経済圧迫は確実

北方領土・択捉島の港湾施設でカメラを構えるロシアのメドベージェフ首相=8月22日(ロイター)

 【モスクワ=遠藤良介】ロシアのプーチン政権が択捉、国後両島での軍事施設建設を加速させるなど、北方領土の実効支配を内外に誇示している。背景には、広大な「領土」や「外敵」の存在を強調する以外に、国民の結束や政権への支持が得られなくなっている実情がある。昨年3月に併合を宣言したウクライナ南部クリミア半島と並び、「辺境」を維持するための支出が経済をいっそう疲弊させることは確実だ。

 ショイグ露国防相は1日の軍幹部との会合で、択捉、国後両島の新駐屯地には計392の軍関連施設が計画されており、冬季も休みなく工事を進めると語った。ロシアは2020年までの長期的な軍備刷新計画を進めており、北方領土やクリミア、北極圏に重点が置かれている。

 露政府が7月に承認した「クリール諸島(千島列島と北方領土)発展計画」は、16~25年に700億ルーブル(約1287億円)を投じてインフラ整備を進めることを明記。政府は、極東への移住促進策として土地を国民に無償分与する法案を策定し、北方領土にも適用する方針だ。

 プーチン大統領の支持率はクリミア併合後に8割、シリアでの空爆開始後は9割近くとなった。欧米やウクライナ、トルコといった「敵」に対して団結を呼びかける、強力なプロパガンダ(政治宣伝)によるところが大きい。経済低迷が深刻化するにもかかわらず、来年の軍事費は国家支出の2割を占める見通しだ。

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