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【人民元国際通貨入りの波紋(上)】周到にIMFを攻略 中国寄りの欧州に米国孤立

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【人民元国際通貨入りの波紋(上)】
周到にIMFを攻略 中国寄りの欧州に米国孤立

 「国際通貨基金(IMF)の決定を支持する」

 人民元の特別引き出し権(SDR)構成通貨への採用が決まった11月30日。米財務省が出した拍子抜けするほど短いコメントに、米国の苦虫をかみ潰したような思いがにじんだ。

 同じ轍を踏んだのか-。中国主導で年内に設立されるアジアインフラ投資銀行(AIIB)をめぐって今春、米国が先進国に不参加を呼びかけたにもかかわらず、英独仏伊といった主要7カ国(G7)メンバーが参加表明に踏み切った。

 人民元についても9月中旬ごろまで、オバマ政権は中国を強く牽制していた。「人民元相場に市場の動向をより強く反映させるという中国指導部の約束は疑わしい」。ルー米財務長官は米紙への寄稿で中国の改革姿勢への不信感をあらわにした。輸出促進を狙った8月の人民元の事実上の切り下げに対する批判だった。

 だが米国の強気は、オズボーン英財務相やサパン仏財政相が人民元のSDR採用を支持したことでかき消される。同盟国の欧州諸国が、習近平指導部の戦略で通商関係を急拡大する中国に雪崩を打った。オバマ政権が徹底抗戦を断念したことに、「米国が孤立したAIIBでの過ちを繰り返したくなかったのでは」(米政府筋)との見方は多い。

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