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【ドーピング】ロシア「メダルは国力」「勝利のために手段を選ばない文化」 旧ソ連時代の国威発揚復活

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【ドーピング】
ロシア「メダルは国力」「勝利のために手段を選ばない文化」 旧ソ連時代の国威発揚復活

9日、ジュネーブで記者会見するパウンド氏。世界反ドーピング機関の第三者委員会で調査責任者を務めた(AP)

 【モスクワ=黒川信雄】世界反ドーピング機関(WADA)の第三者委員会の報告により、ロシアの陸上界で不正行為が常態的に行われていた実情が明らかになった。一連の事態は、旧ソ連時代に顕著だったスポーツによる国威発揚が、プーチン政権下で再び活発に行われている実情をあぶり出した。

 「(ロシア陸上界には)勝利のために手段を選ばない文化が根付いている」

 報告書はそう指摘し、強い懸念を表明した。

 報告書によると、ドーピングによりシカゴ・マラソン連覇の記録などを取り消されたリリア・ショブホワ元選手は、違反を隠すために夫とともに露陸連幹部に賄賂を支払っていたと証言した。「ロシア代表の99%がドーピングで違反している」と訴えた円盤投げの選手もおり、不正が恒常的に行われていた実態が明るみに出ている。

 旧ソ連時代、政権は国力誇示の手段としてスポーツを重視した。選手の育成は国を挙げて行われ、好成績を収めれば住居や金銭、車を好条件で購入する特権が付与されたという。

 スポーツを国威発揚に積極的に利用する傾向は2012年のプーチン大統領の復帰以降、再び顕著になったと指摘されている。プーチン氏は14年のソチ冬季五輪、18年のサッカー・ワールドカップを相次ぎ招致。国際スポーツイベントの開催は、ソ連崩壊で混乱した過去を清算し“大国復活”を内外に印象づけるための格好の手段となりうる。ソチ五輪でのメダル獲得者には、金、銀、銅によって異なる金額と種類の高級乗用車が付与されるなど、成績優秀者は政府によって「成功者」扱いされた。

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