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【矢板明夫の目】中国で拘束された日本人は本当にスパイだったのか?

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【矢板明夫の目】
中国で拘束された日本人は本当にスパイだったのか?

 一方、拘束された札幌在住の男性は元航空会社の職員で、定年退職後、日中交流の仕事に従事し、日中間の人材派遣の公益団体を立ち上げるなど、日中友好人士の一人に数えられている。また、東京在住の女性は帰化した元中国人で、経営する日本語学校の学生募集のため、頻繁に中国を訪れていた。

 以上の4人はいずれも情報分野の素人で、中国の国家機密を探知できる社会的な立場にもいない。仮に公安調査庁などの情報機関の関係者と接触があったとしても、一般的な情報しか持ち合わせていないことから、国際的な常識からはいずれもスパイといえる人物ではなかった。

新たな反日のネタに

 共産党関係者によれば、この4人の摘発は習近平政権による外国人排除の動きの一環だという。中華民族の偉大なる復興などナショナリズムをあおるスローガンを掲げる習政権は、投資目的以外の外国勢力が中国国内に入ることを阻止することに力を入れている。こうした事情を背景に、外国の民間人に“スパイ”とのレッテルを貼って摘発することが最近急増している。

 昨年夏には中朝国境付近でキリスト教を布教しながらコーヒーショップを経営するカナダ人老夫婦を「軍事機密窃取」の容疑で拘束し、カナダとの間で外交トラブルになっている。今春には、ビジネスツアーで広東省を訪問した米国人女性企業家をもスパイ容疑で摘発した。

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