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【石平のChina Watch】無限に拡大解釈できる中国の「反スパイ法」と「総体的国家安全観」…異質な国とどう付き合うか?

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【石平のChina Watch】
無限に拡大解釈できる中国の「反スパイ法」と「総体的国家安全観」…異質な国とどう付き合うか?

米国を訪問中の中国の習近平国家主席=今年9月(AP) 

 一般的に「国家安全」とは「外部からの軍事的脅威に対する国家の安全」という意味合いで理解されることが多いが、習主席のいう「総体的国家安全」はそれとは異なる。講話は「政治安全、国土安全、軍事安全、経済安全、文化安全、社会安全、科学安全、生態安全、資源安全」などの11項目を羅列し、それらの「安全」をすべて守っていくことが「総体的安全観」の趣旨だと説明した。

 つまり習主席からすれば、今の中国は政治と軍事だけでなく、経済・文化・社会・科学などのあらゆる面において「国家の安全」が脅かされているのである。したがって中国は今後、この「あらゆる方面」において国家の安全を守っていかなければならない、というのである。

 こうした考え方は、もはや「草木皆兵」のような疑心暗鬼というしかないが、昨年11月に誕生した「反スパイ法」は、まさにこのような疑心暗鬼に基づいて制定された法律だ。それは「スパイ行為」たるものを政治・経済・文化・科学のあらゆる面において拡大解釈した結果、現場の国家安全部は結局、本来なら「スパイ」でも何でもない行為をとにかく「スパイ行為」として取り扱うようになった。

 今年に入ってから集中的に拘束されたりした邦人たちは、まさにこのような拡大解釈の「スパイ狩り」の犠牲者だといえなくもないが、問題はこれからだ。

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